サントリーでエミール・ガレ

+エミール・ガレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレ、特別に好みというわけではないですが、居心地の良い美術館なので、涼みがてら見てみるか〜ぐらいのノリで出かけ、あまりの強烈さにハマってしまいました。

かげろうをモチーフにした美しいグラデーションの花器、見事なフォルムのグラス類と、様々あるわけですが、強烈に焼き付いてしまうのは、やはり虫の生き埋めにしか見えない脚付杯「蜻蛉」、異様にリアルな蛾が張り付く昼顔形花器「蛾」、花器「おたまじゃくし」などの作品群でしょうか。飾り棚「森」の、高い位置に着く飾り板にはみっしり蜻蛉が彫られていました。フォルムで好きだったのは「茄子」。上部がちゃんとヘタになっているのにスマート。血と墨汁が混ざったような色合いの栓付瓶「蝙蝠」なんてのもパンチがありました。ご本人の意図ではないでしょうが「あぁ、きれい〜」と素直に言わせてたまるかっ!というようなところが、大変面白い。

もうひとつ魅かれたのは、日本画でよく表現される「時間の経過」、春夏秋冬の移り変わりが同じ平面に描かれたり、河を下りつつ時が流れる様を巻物で見せたりする方法を、ガラス器の上でやってしまうのだなと。「おたまじゃくし」は成長過程を見せており、ひとよ茸ランプは、一晩で形状が変わっていく様を描き、カトレアは裏側に枯れた花が配置される。なんか映画的です。

「エミール・ガレ」 サントリー美術館 2016年6/29〜8/28

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