竹橋・近代美術館は、神楽坂からとても出やすいのでよく行きます。
いくつかの作品は常設では見ていましたが、まとめて見ると本当に面白いです。初期は描き込みも多く立体的ですが、途中からどんどん構図がシンプルにフラットになって、色の透明感が冴えてきます。「黄瀬川陣」頼朝の敷物や「飛鳥の春の額田王」のショール・建物屋根の冴えた青磁色(エメラルドグリーン?)、卑弥呼のバックの燃えるようなオレンジなど、絶対に印刷では出ないだろうな〜などと。
それと同時に、着物柄に尋常ではない執着が… 大作を前に、着物柄にばかり感心するのもいかがなものかと思いますが、正直、見ていて楽しいもので。隣で見ていた老夫婦の旦那さんが「この人、次はどんな着物を着せようかなって、さぞや楽しかろうねぇ…」と。「同感!」と思ってしまいました(笑
お目当ての「飛鳥の春の額田王」が後期だったので、奥村土牛につづいて、これも2回見てしまいました。安田靫彦は、ほとんどが掛け軸と屏風絵なので、土牛の方がずっと現代の作家と思ってしまいましたが、1884年と1889年なので、たった5歳しか違わないのが少々意外。
「安田靫彦」 東京国立近代美術館 2016年3/23〜5/15