念願の奥村土牛です。
竹内栖鳳・横山大観・菱田春草と、まとめて見てみたい日本画を、ここ数年で次々に見ることが出来て、残すところこの人!でしたが、やっと見ることが出来ました。
思えばドラマ相棒season11-第2話で、甲斐峰秋が杉下右京と待ち合わせるのがこの山種美術館。「僕はこの『輪島の夕照』が好きでねぇ…」のセリフと、右京のバックには土牛の「鳴門」が。あっ奥村土牛が見られるのか?!と、大慌てで検索するも、ドラマ収録は2ヶ月は前ですから当然終わってました… 残念。待つこと3年半、ようやくお目見えです。
母がこの人を好きで、13〜4歳のころにいくつか本で見たりはしていましたが、「閑日」「踊り子」など、あの透視図法無用の独特の構図や平坦さがピンとこず、あまり上手じゃないのでは??などと。あ〜、なんてバカな私、センスのない中坊な私、と後年自分で自分にガッカリした次第(苦笑
展覧会場冒頭の「醍醐」、京都醍醐寺の枝垂れ桜を描いているのですが、ふんわりとした淡いピンクの美しいこと。一緒に見ている方々も、揃ってホゥ〜とため息をつく感じ。「鳴門」のうず潮も、勇壮ですが色はやはり優しい。抹茶のような淡い緑に、バックの島影は金色。かと思えば「閑日」の猫の座布団の真っ赤や、芥子、木蓮の、吸い込まれるような深い赤紫も。
始まってすぐの3月に行きましたが、どうしても見たかった絵が後期だったので、2度行ってしまいました。広すぎず狭すぎず、観覧客が好きな絵を何度も見返す感じが、この美術館の心地よいところです。
「奥村土牛」 山種美術館 2016年3/19〜5/22