竹橋の近代美術館で、ジャクソン・ポロック展を見てきました。2度目です。
作品の点数や間隔が見やすく、とても居心地良かったもので。特に、成熟期の作品群を展示した部屋は照明を落としてあり、中でも、真っ白い壁に飾られた大きな2作品は、いつまでも離れ難い静謐な空間で、終わる前にもう一度あの空間に佇んでおきたいなぁ、などと…
ただ、最初に出かけた2月初旬の日曜日は、まだ始まった直後で人も多くはなく、ゆったり見ることが出来ましたが、終わりに近い今回は、ビックリするほど混んでいました。こんなにたくさんの人が、興味あるんだ!と少々意外でした。私など、印刷物で見るかぎり「画面一杯にチューブ絵の具をグニグニ塗り散らかした乱暴そうな作品」の印象しかありませんでしたから…。川村美術館で現物を見て、大変繊細に色を重ねてある作品だということを知り、そしてさらに今回、色の美しさに驚愕しました。ぼかしたようなグレーの下地に、黒、白、黄、そして目の覚めるような朱赤のポーリングなど(number25)、惚れ惚れします。
それにしても、4c印刷では出ないような色ばかり。実物見ないと、この作品のスゴさは伝わりにくいかも、です。ある時期に良く出て来る薄い浅葱色など、絶対にくすんだ青になってしまいますもん。
昨年、やはりこの美術館で2回見てしまった(竹橋が近いもので…)「イケムラレイコ展」も、極端に照明を落とした中に、浮かび上がる白い円卓、そこに横たわるテラコッタの少女像の部屋がハマりましたが、今回も、暗い部屋の白壁の2作品はグッと来ました。数年前に見に行った川村記念美術館のマーク・ロスコ展もそうでしたが、「そこへ嵌り込む感覚」が味わえると、格別です。
「ジャクソン・ポロック展」東京国立近代美術館 2012年2/1〜5/6